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みおつくし会22年

 

大阪市立大学みおつくし会

 

「みおつくし」は水都大阪の市標であるとともに、人生航路最後の入江に導く標識を表わしています。また、本会は、身を尽くし、心を尽くして何ものかに打ち込む生き方を目標としています。みおつくし会は昭和49年10月13日に結成されました。初代の役員は、理事長:森田好雄、理事:大庭常喜・中嶋梶・沼田光子・堀口勇蔵・山形健三(当時解剖学第1講座教授)、幹事:寺門之隆(当時解剖学第2講座教授)の各氏でした。大阪市立大学医学部における献体の歴史はそれを遡ること23年前、すなわち、大学第1号の献体登録者多田ツキ氏(明治14年生まれ、昭和35年10月成願)が、昭和26年11月に登録されたのに始まります。それ以後に献体登録をされていた120名のうち、生存者80名により本会が発足しました。森田氏は山形前教授の小学校時代からの親友という関係もあり、本会の設立前から尽力され、その後20年間にわたり理事長として活躍されました。入会者数は順調に増え、現在(平成8年5月)生存会員数が1,586名を数えるまでになりました。400余名の会員が既に成願され、医学教育の礎として貢献されています。
みおつくし会総会は毎年10月中旬に田中記念館(大阪市立大学杉本学舎)において行われています。毎回350名を越える会員が参加されますが、大学の教職員の皆様の御協力を頂き、なごやかな雰囲気のなかでお互いの親睦をはかっています。医学部の先生によるわかりやすい医学講話で健康を考え、献体などについて日頃知りたいことを教授の先生方にお尋ねし、さらには、会員が一緒になって、学生によるオーケストラの伴奏に合わせて懐かしの曲を合唱し、楽しい一日を過ごしています。平成5年には創立20周年を迎え、記念総会が開催されましたが、森田理事長はそれを最後に病に伏され、翌年10月に成願されました。
森田氏は、「献体運動は今や社会的に認知され、御遺体の確保はほぼ達成されたとはいえ、その真の目的は医学の教育研究のための精神的条件の充足である」と信念を持って語られ、献体運動の益々の重要性を説いておられました。我々はその御遺志を継ぎ、みおつくし会のさらなる継続とより良い発展のために努力して行く所存です。
(理事長 岡田好則)

 

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